コーヒーノキはアカネ科コフィア属に属しています。今回はコーヒー豆を知るために、まずコーヒーノキを植物学的アプローチをして観察していきます。
3種類のコーヒーノキ
コーヒーの実をつける木はコーヒーノキとよばれています。コーヒーノキには大きく3種類あって、アラビカ種、ロブスタ種(カネフォラ種)、リベリカ種です。リベリカ種は西アフリカやアジアで栽培されていますが、とても希少で、世界の生産量の2%にも満たない量です。主に現地で飲まれており流通しません。
アラビカ 70% : ロブスタ 30%
世界全体のコーヒー生産量の約99%を占めるのが、アラビカ種とロブスタ種の2種です。どちらもアカネ科コフィア属に属しています。
アカネ科コフィア属は全部で70種
世界の生産量の約70%はアラビカで、約30%がロブスタです。アラビカは風味が良く、高地を中心とした冷涼で水はけのよい土地に向いています。一方、ロブスタは独特なクセがあり、暑さや病気に強く、低地でも栽培できます。世界の生産地ではそれぞれの土地や気候に合わせて主にこの2種を栽培しています。
アラビカ vs ロブスタ
コーヒーといえば大きく2種類、アラビカ種とロブスタ種があることがわかりました。もうちょっと詳しく2つを比べてみてみることにしましょう。
染色体数
44 vs 22
進化っておもしろい!
産地の標高
600〜2,400m vs 0〜700m
アラビカは高地、特に傾斜のある場所などで育てるので栽培するのに大変なコストがかかります。ロブスタは低地で力強く育つため大量生産が可能だったりします。
気温
5〜24℃ vs 24〜30℃
ロブスタは暑いところでも育ちます
受粉
自家受粉 vs 他家受粉
自家受粉(じかじゅふん)...雌雄同株の植物。花粉が同株の花の雌しべについて受粉が起こること。
他家受粉(たかじゅふん)...花粉が別の株の花の雌しべについたときに受精できること。異花受粉。
開花
雨季後 vs 不規則
成熟
6〜9ヶ月 vs 10〜11ヶ月
アラビカ種のほうが成熟が早い!
カフェイン含有量
0.6〜1.4% vs 1.8〜4%
ロブスタのほうがカフェインを2〜3倍含んでいます
自販機のコーヒーはロブスタ?
ロブスタはコフィア・カネフォラを代表する品種で、世界的に生産されています。独特のクセがあり、アロマ成分は弱いです。その一方、暑さや病気に強く、比較的安価で大量生産しやすいというのが強みがあります。
カフェインを多く含み、インスタントコーヒーや、自動販売機の缶コーヒーに使われる方が多いです。
また、イタリアやポルトガルのエスプレッソのブレンドにはベースとしてロブスタが使われています。
まとめ
今回はコーヒーノキを少しだけ植物学的なアプローチをして観察、比較してみました。風味の豊かなアラビカに、大量生産向きなロブスタ。染色体数、栽培標高、適正気温、成熟スピード、開花や受粉の方法の違い、病気への強さなどそれぞれに違いがあります。私たちに身近なコーヒーですが、大きく2種類ありそれぞれに適した楽しみ方があることがわかりました。