小学生の頃、子供会で行ったボーリング場で友達の白いTシャツが青く光った。日常生活で理解不能な現象に出会った数少ない記憶だったりする。(ブラックライトの思い出薄っぺらい!)
福岡の筑紫野市というところで、小さなカフェをしています今村です。コーヒー苦手だった私が珈琲焙煎まではじめてしまって、早1年が経ちました。ヒヨッコ中のヒヨッコですが、毎日美味しいコーヒーを出したいと思い日々研究しているところでございます。
ブラックライトを生豆に当ててみた
個人経営のコーヒー焙煎所(ロースター)は設備も大きくなく、焙煎の前段階である「ピッキング」が大事な工程だったりします。ソーティングとか選別とかとも言われたりしますが、やる事はコーヒーの味にマイナスに働く豆を取り除くことです。
実際にやってみた人と同じ実験をしてみよう
焙煎の前にやったり、後にやったり、前後どちらもやったりしますが、まぁこれがちゃんと上手くやれるのとそうでないのとでは大きく味が変わったりするんですね。最近おもしろいツイートを見かけたのでシェアします。
スレッドをたどっていくと、ブラックライトの記事が2つ紹介されていました。
光る珈琲生豆 : 香豆火珈琲 (Kaz - Feel - Coffee)
「ブラックライトを生豆に当てると、肉眼では見つけにくい欠点豆である発酵豆が見つけられる。味への影響は今後の検討課題。」という趣旨の記事
ブラックライト強力バージョン : 香豆火珈琲 (Kaz - Feel - Coffee)
「昼間の明かりの中でも使える程度の強度のブラックライトを使うことで、欠点豆である発酵豆を容易に見つけられるようになった。」という趣旨の記事
肉眼で 見つけづらい発酵豆
たしかに発酵豆って肉眼では見つけづらいんですね。ピカーっと光ってくれたらそりゃ見逃すこともないですよ。ブラックライトをあてたら光るっていうんだから、当ててみたくなっちゃいました。
ちなみに今回フォーカスしている発酵豆っていうのは、生産過程で微生物が混ざり込んでしまって特有の渋みや酸味を発してしまう欠点豆の種類です。
ということで、2つ目の記事で紹介されていた強い方のブラックライトを購入しました。USB充電もできて、さほど重くはないので非常に使いやすいです。
ブラックライトを当ててみた結果
光ってる、光ってるぞ!
少し明るいところで、ピッキング前の豆に当てると...
こんな感じで発光しています。
こんなにビカビカ光ってくれるなら、発酵豆を見逃すことはなくなりそうです。めでたしめでたし。
ブラックライトと発酵について
ここからはブラックライトや紫外線、微生物なんかについて詳しく考えていきたいと思います。光ってる豆を見たときに思ったことが以下になります。
「そもそもブラックライトとは?」
「ほんとうに微生物で光ってるの?」
「光ってる豆は全部悪いの?」
そもそもブラックライトとは?
ブラックライト(英語: black light)とは、わずかに眼で見える長波長の紫外線(波長 315-400 nm、UVA、Ultraviolet A)を放射する電灯である。ブラックライトの光自体は人間の目にほとんど見えないが、ブラックライトを当てた物体は内部に含まれる蛍光物質だけが発光するため、非破壊検査の磁粉探傷試験に使われるほか、視覚効果の一種としても利用される。(Wikipedia)
ギリ見える長波長の紫外線を発するライトで、当てられた内部の蛍光物質が光るということか。蛍光物質ってのは調べたところ、日常生活にたくさんあって、バナナの黒い部分のシュガースポットや、果物、蜂蜜、パイン飴、エナジードリンク、柿の種...。結構なものが光る。
今回購入したブラックライトの説明書によれば「395nm」の長波長の紫外線を照射できる仕様になっていました。
ほんとうに微生物で光ってるの?
「細菌には、蛍光物質を持つものがあるため、ブラックライトを当てることにより、それらの菌の繁殖を確認できる。」「ビタミンB群は蛍光する」(Wikipedia)
光ってる豆は全部悪いのか?
発酵豆をピンポイントで見つけられればいいのですが、他の理由で光ったりしているんじゃないか?という疑問が拭えなかったりします。ビタミンB群は蛍光するようだし...。
微生物による発酵が関わってくる乾燥工程や発酵槽での工程など、「精製過程の違いで発光理由も違ってくるのでは?」という新たな疑問も生まれました。「発酵でも好気発酵と最近流行りのアナエロビックという嫌気発酵の違いも影響してくるのか?」「残留の微生物がすべて悪さをしてるのか?」...もう少し調査が必要だなと感じました。
まとめ
今回はブラックライトをコーヒーの生豆に当ててみて、発酵豆を探してピッキングの精度をあげてみようという回でした。
発酵豆だけ探せるなら便利だし、良い方法だなと感じましたが、イマイチ自分の理解が乏しく不勉強さを実感しました。
より生産・精製工程の理解をあげて、おいしいコーヒーづくりに近づけたらなと思います。最後までお付き合いありがとうございました。