僕の生息地タメル
タメル。ここをネパールと言ってもいいのだろうか、ただ、なくてはならない存在タメル。
悪く言えばカオス、よく言えば昭和の雰囲気
車のクラクション、バイクの砂埃、物売りのオッチャンの怪しげなささやき、何語かもわからない観光客の笑い声…目の前のあふれた情報に、頭の中の処理スピードが全くついていかない。好きな人は好きだというが、ゴミゴミとした混沌とした”場”に飲まれてしまうのが正常な思考な気がしている。
各国の料理がひしめき合う
タメルはネパールだが、ネパールではない。ネパールでありながら、狭いエリアの中に各国の飲食店がひしめき合っている。ネパール料理より他国の料理の店の方が、いくぶん多いと感じさせるくらいである。その"他国"の中に、もちろん日本も入る。実は、ネパールでは日本料理は密かな人気だったりする。特に親日のネパール人は日本料理も愛している人が多いように感じる。どこの店舗もネパール人で盛況している。
美味しいもの至上主義
オフィスがタメルにある僕は常に美味しいものを探している。それが積み重なって、何料理、値段帯、店の雰囲気、など少しでも要望を言われたら「パッ」とオススメができるくらいだ。特に日本料理に関してはよく食べ歩いている。どうしても舌が欲しているのだと思う。それゆえにどこの店で食べても、他店と比べてしまう。どこが一番うまいのか、というのはいつも心の中心にある軸である。美味しいものが正義なのだ。
どこの天丼がキングだ?
ある時期天丼にハマったことがある。そしてタメルで一番うまい天丼はどこかという興味が湧いた。それから1週間毎食天丼を食べる生活が始まった。毎食である。ある意味、修行に近いものがあった。以下に天丼の情報、といっても単なるメモと感想だが、書いていく。
ふるさと
甘だれが濃いめでうまい。天ぷらの揚げ具合は荒ぶっていて、衣多め。
絆
例えるなら“エベレスト”。そそり立つ断崖絶壁を目の当たりにする。
具材が長細く切ってあって、それらが寄り添う形で丼の上に立っている姿は圧巻。ただめちゃくちゃ食べにくい。もう一つ皿が欲しいくらい。ご飯が少し少なめで、具とのバランスが改善の余地あり。
桃太郎
桃太郎の天丼はどんぶりが大きめ。高さはそれほどないが、裾野がひ広がる富士山のよう。甘ダレが濃くてうまい。
和み
一番
一番の天丼は天つゆ式。衣はフワッとしていて、天つゆが染み込んでいてグッド。野菜も豊富。ご飯が微妙。
おふくろの味
天つゆ式。こちらも衣はふわっと柔らかく天つゆが染み込んでいてうまし。
天丼と向き合う時間こそ
とまあ、食べ歩いてみたがどれもうまいのだ。甘ダレ式と天つゆ式の2タイプがあり、大抵はエビ天に旬の野菜がガガガと添えられている形。値段にも少しの幅があるが、大きな差はないといっていい。
結局どれが一番うまいのか?という問題だが、食べてみて思ったのはその答えには大して大きな意味はないように思える。それよりも、連続して毎食同じものを食べることによって、『天丼』という存在に初めて向き合えたような気がする。自分の舌と記憶と感覚を研ぎ澄まして対峙する、その時間が贅沢な時間だったように思う。
また僕は、どれがうまいんだろうか?という"都合のいい課題"を提起してタメルに繰り出すだけだろうと思う。
どうしてもという人には
- 若者は『絆』
- カップルは『和み』
- ジジババは『おふくろの味』
へ行ったら間違いない!!とでも言っておく。