ベジタリアンが増えている?!
『ベジタリアン』という言葉を聞くと
「なんで?肉は美味しいのに?」「ダイエット?それとも苦行の一つ??」
こんな風に「なぜ」「奇妙」とかこんな言葉が思い浮かびませんか??
ですが、ネパールにいると「ベジタリアン」という言葉は当然のように使われます。
統計を計ったわけではないですが私の体感でいうと
ネパール人の20%から30%はベジタリアンです。
そして、今でもベジタリアンの人は増えています。
そもそもベジタリアンって何??
ベジタリアンとは・・・
菜食主義者。肉や魚などの動物性食品をとらず、野菜・芋類・豆類など植物性食品を中心にとる人。肉類に加え卵・乳製品なども一切食べない(ピュアベジタリアン)、植物性食品と卵を食べるオボベジタリアン、植物性食品と乳製品を食べるラクトベジタリアンなどのタイプに分かれる。《vegetarian(ベジタリアン)の意味 - goo国辞書》
辞書上の意味だとこのように書かれていますが、
大事なのはベジタリアンは
「菜食主義」というあくまで主義とだということ。
「肉は食べてはならない」と誰かに強制的にされる意味があるわけでなく
自分が抱いている主張や思いです。
なので人によって菜食主義の程度というものは違います。
完全に肉、魚、卵類を食べない人(ヴィーガン、完全菜食主義者)もいれば
肉、魚は食べないけど、卵は食べるという人(ラクト・オボ・ベジタリアン、ベジタリアンの中で一番メジャーな形)もいます。
肉は鶏肉だけなら食べるという人(ポゥヨゥベジタリアン、スポーツ選手などに多い)もいます。
いろんなベジタリアンの形があるんです。
「肉は食べるけど、極力避ける」
これもフレキシタリアンという列記としたベジタリアンの形なんです。
「ちょっとダイエットで肉を食べないようにしているんだ」
という人がいれば、それだけであなたもベジタリアンと名乗ることができるんです。
結構、ベジタリアンのハードルは低いんですよ。誰にでもできることなんです。
なぜ、ベジタリアンに??
ですか、なぜネパール人にそんなにベジタリアンが多いのか??
ベジタリアンになった人の理由はたくさんあります。
①肉の味そもそもが嫌い
そもそも肉を食べても美味しくない。この形は日本人でもたまにいますよね。ネパールだと肉は高級品なので、値段の割には・・・という思いもあります。
②宗教上の理由
ネパール人に多い、ヒンドゥー教は牛肉は食べてはいけません。牛は神様ですので。ですが、他の肉は食べていいんです。チキンやマトンはネパール人にも人気でよく食べます。
ただ、ヒンドゥー教の生活規範となるマヌ法典によると意味合いが少し違って、
供養した肉は食べてもいい、と書いてあるんです。
なので、もともと宗教上としては肉を食べないということが前提としてあるんです。
ネパールではお祭りの時などに、動物を祀って、感謝して、みんなで食べるというお祭りもまだたくさん残っています。
③健康上の理由
昔はネパールでは太っていることが美しいという風習があったのに、今ではもうすっかりなくなっています。特にカトマンズの若い人は細い体型を維持しようとする人が多いです。太ることを気にして、ダイエットで肉を食べないネパール人も多くいます。
④動物愛護・Animal rights
私がネパールでベジタリアンの人と話して感じるのは、この動物愛護の観点からベジタリアンという人が多いです。
この話しをするとよく日本人からは「肉食は食物連鎖として当然のこと」「植物だって生きているのに、なんで動物だけ?」と、ベジタリアンに対して嫌悪感を持ったこういう言葉返ってくるのですが、
これは日本人が動物愛護の観点に欠けているということではなく、日本とネパールの環境の違いで価値観が違っていると思います。
ネパールの田舎では肉を食べようとすると、生きている家畜をそのまま捕まえて、その場で切りさばいて調理することが普通です。
その時に光景というものは悲惨なものがありまして。
泣き叫ぶ家畜に、鋭い刃物を振り下ろす調理人。飛沫あげる返り血に、立ち込める血の匂い・・・
そんな残酷な現場に遭遇した30分後に自分の前に肉料理が現れます。
ん。んん。。。。
やはり、どうしても口がすすまないんです。
「肉、食べたい!」なんて言わなきゃよかったってなるんです。
日本だと、この光景は屠殺場で隠されます。
残酷な姿を見ずとして、美味しいお肉を食べることができます。
もし、日本も屠殺場が公開されて、肉を食べるならば、同じようにベジタリアンは増えてると思います。
⑤欧米化の流れ
ネパールもカトマンズの欧米化の流れは凄まじいです。
たった5年でカトマンズで、ネパールの伝統服のクルタを見ることはなくなりました。みんな洋服、ジーパンにシャツばかりです。欧米向けの建物が増え、食べ物も、パスタ屋さんやカフェなどが乱立しています。
それと同時に欧米のベジタリアン人たちの増加がネパールにも流れ込んでいます。
ネパール以上に今、かなりの数の欧米人たちのベジタリアンとして生きています。
欧米の人たちの、若い女性はほぼベジタリアンしかいないんじゃないかと言っても過言ではないです。特にネパールにくる欧米人はヨガをしに来たり、トレッキングをやりにくるので、ナチュラル志向の人が多いというのもあるとは思います。
ですが、それにしても、欧米人のベジタリアンの人は多い。彼らと一緒にご飯に行く場合、10人いれば、4、5人はベジタリアンの人がいます。
なので必然的にベジタリアン料理を提供してくれるお店になるんですよね。
ベジタリアン料理 専門店 OR2K
そんなベジタリアン料理の需要も高まって、ベジタリアン料理の専門店はネパールにたくさんありますし、その他、どのレストランでもベジタリアンのためのメニューを準備してあります。
今回紹介するのはタメルにある、ベジタリアン専門店『OR2K』
タメルのマンダラストリート入って、すぐの場所にあります。
入り口に大きな看板などないので、分かりづらいのですが、ここの3階です。
店内はテーブルではなく、床に座る形になっています。そして、この写真は昼間ですが、夜になると間接照明でとても綺麗にライトアップされ、おしゃれな雰囲気。
『OR2Kハーフコンボ』
大きな分厚い生地のナンを3種類の味のソースにつけて食べます。
『マルゲリータ』
このピザもトマトとチーズだけ。肉は一切使っていません。
『フライドエッグ』
動物由来のもの全てを食べない、完全菜食主義者、ヴィーガンの人は食べることできませんね。
『トマトとモッツァレラチーズの盛り合わせ』
盛り合わせだけでも、このボリューム!!
『ベジタブルコンボ』
美味しそうなこの野菜たち。真ん中のピーマンとパプリカの中にはご飯が入っているんです。
これら全部、ベジタリアンのための野菜だけで作ったメニューです。
ベジタリアンのイメージはレタスなどのサラダばっかり食べていると思っていませんでしか?
全くそんなことなくて、この写真のようにガッツりとお腹いっぱいに満足するまで食べることができるんです。
この飽食の時代だからこそ
今、時代は飽食の時代と言われています。
食べるものには困らない時代になりました。
だからこそ、今、問われてくるのは
『何を食べるか』
ということです。
ベジタリアンについて
もう一つみなさんが誤解していることがあります。
『ベジタリアン』って野菜の『ベジタブル』を人として語形を変化させていると思っていませんか??
違うんです。
『ベジタリアン』の語彙の由来は
「vegerus」意味「健全な、新鮮な、元気のある」というラテン語から由来しているんです。
19世紀の半ばイギリスで、現・ベジタリアン協会が『ベジタリアン』という
『健康な人、活力ある人たち』という意味の言葉を作りました。
そして、
健康な人、活力ある人が
肉を食べることを極力減らし野菜中心の食生活をしていたことから
ベジタリアン=菜食主義者
という意味に変わってきたのです。
今、私たちの周りにはたくさんの食べ物が溢れています。
私たちは好きなものをたくさん食べているようですが、
食べ過ぎによって、逆に健康を害したりしていませんか?
実は「食ること」が健康を「食べられていること」
になっているかもしれません。
「飽食の時代」
食べ物に私たちが食べられないように
「何を食べるか」
しっかりコントロールしていきたいですね。